大工さんはホームドクター
なぜ大工がホームドクターになれるか、それは住宅工事の場合
新築でもリフォームでも最初から最後までかかわるからです。
そして何年も監督兼務でやって来た大工はいろいろな経験から
あるいは他の職人さんの話から、やってはいけないことや、やらな
くてはいけないことを学んでいるからです。
さらに、工事の工程を左右するのも大工さんです。大工が屋根を
張り、床を上げてから、電気水道の工事ですが、床や壁を先に仕
上げると、工事できないところも有ります。
ですから大工は家のこと(納まりといいます)を熟知していないと
できませんし、手直しを何回もすることになります。
大工さんが「納まり」というのは寸法、配管配線の隠蔽、さらに仕事
が美しく、当たり前に違和感がおきないように施工することです。
これは複雑で本だけでは分かりません。弟子入りなどで経験で
学ぶしかないところです。
建築士の資格も必要ですし、監督の経験、アフターサービスの
経験、思わぬところに不具合がでる場合もあります。頭を抱える
ような経験を何度もしています。
これは自分で開業した大工でないと経験できない部分もあります。
なお、自宅を土地から購入して建築した経験も重要です。
法的なことや手続き、さらに資金のことなど、家を建てる気苦労は
経験しないと分かりません。私の場合、建築中に収入がなくなるこ
とを予算に入れておらず、苦しい思いをしました。
ですから家の工事を任せられるのは大工でも、親方や請負の経験
10年以上有る人が理想です。
若い頃の仕事を、今ならもっと良いようにできるのにと思います。
大工の仕事は若いときの失敗した部分も、何十年も残っています
ので言い訳もできません。
だから信頼できる大工さんに出会えることは、我々でさえ難しい面
があります。
土地のことから、基礎工事の良し悪し、構造のこと、屋根材、外壁
内装、設備、デザイン、職人や施主さんとの人間関係など、すべてを
うまくこなす必要があります。
長年の工事の経験から、雨漏りのしやすい所、シロアリの入りやす
いところ、不具合のおきやすい所の原因から結果まで知り尽くして
います。だから家のことは、まず良心的な大工さんに相談されること
が、得策です。